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寝取られ漂流記

第22章 20歳冬

しばらく二人共そのまま固まっていた。


「ちょっと付き合ってくれる?」


晃佑は自分も立ち上がると優しくそう言った。
あたしが小さく頷くと、
晃佑はあたしの頭を撫でてから会計だけ済ませて店を出た。


「近くに車、止めてあるから」


晃佑はそれだけ言って、
あたしの前を歩き始める。
あたしは黙ってそれに付いて行った。


そのまま晃佑の車に乗って、
晃佑の運転に身を任せていた。


どこに連れて行かれるんだろう。


そんな事が頭に過ぎったが、
晃佑の隣に座れた事が嬉しくて、
すぐに行き先はどうでもよくなった。






「茜、これつけて?」


車が赤信号で止まった時に、
晃佑はごそごそとカバンを探った後、
あたしに黒い物を渡してきた。


「アイマスク?」
「着くまで場所を知られたくないんだ」
「ん。分かった」


あたしは大人しく晃佑に従ってアイマスクを着けた。

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