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寝取られ漂流記

第2章 16歳夏

「茜ちゃーん」


待ち合わせ場所の駅の広場に行くと俊哉は既にその場所に居た。


まだ待ち合わせの時間までは少しあったけど、
俊哉はいつもあたしより先に来て待ってくれてる。


そういうちょっとした優しさが好きだ。


「俊哉、お待たせ」


「大丈夫、全然待ってないよ」


俊哉はいつもそう言ってくれる。


前にあたしが寝坊して遅刻した時も、怒らずに待っていてくれた事もある。


「じゃあ、行こうか」


「うん」


今日は映画を見に行く約束になってる。
最近流行りの恋愛物だ。


もちろんあたしの趣味。


それでも俊哉は嫌な顔一つせずに付き合ってくれる。


ほんとあたしには勿体無いくらい出来た彼氏だ。


どちらからと言う事もなく手を繋ぎ、切符を買って改札を潜った。

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