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寝取られ漂流記

第4章 16歳秋

「こっちは……た」


あたしがうっすらと意識を戻すと少し離れた所から声が聞こえてくる。


起こせない体を無理矢理に起こすと制服は綺麗に直されている。


多分、雅章君がやってくれたんだろう。


「あ、起きた?」


姿の見えなかった雅章君の姿を視界に捉える。


雅章君はあたしに近付いてくるとフェンスに凭れるあたしの隣に腰を下ろした。


「最後ヤバかったな。
茜、ここが学校だって忘れてるみたいだったし、
イキ声が学校中に響き渡る所だった」


最後の方の事ははっきりと覚えてない。
でも意識出来てなかったから多分、普通に声を上げてしまってたんだと思う。


「ごめん」
「いや、謝る事ねーよ。俺も勢いで襲っちまったしな」


雅章君はバツが悪そうに左手で後頭部を掻いた。


でも雅章君がそんな風に思う事なんてない。
あたしも雅章君とする事を望んだんだから。

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