テキストサイズ

寝取られ漂流記

第6章 16歳冬その2

雅章のカミングアウトから一週間。


あたしは学校を休んだ。


あの日、俊哉と二人取り残された体育倉庫。


放置されて暫く動けなかったあたしを前に
俊哉は何も言わなかった。
何も言ってくれなかった。


ただあたしの前に座り込んだまま、あたしの事を見ていた。


前みたいに優しく声を掛けてくれる事も無かったし、
取り返すように襲って来る事も無かった。


やっぱり俊哉じゃ何も出来ないって思えた。


だから俊哉の事はすんなり諦められた。


俊哉ならあたしみたいな子じゃなくてもっといい子がいる。
元々不釣り合いだったとも思う。


もう俊哉の事はいい。


でも、雅章は違う。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ