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Pour mon cher -涙の先に-

第64章 卒業 Ⅱ

「頭偉い癖にバカなんだから手に負えないわ。マジで。

私なら絶対しない。
自ら好きな人を他人に委ねるなんて絶対しない。

あんた達見てると苛々する。

バカにはバカが寄るってホントだね」




‥バカって、言い過ぎじゃないか?


でも言ってる事が分かるだけに何も言えねー。



でも。



「俺はいいんだよ。」


苦笑すると愛は首を左右に振りながら息を吐いて




「あっそ。


あの子、あそこにいるから話して来たら?」



愛の指の先に視線を流す。


人混みに躊躇して引き返そうとしてる彼女の姿を捕えた。



東の方をチラッと見ると、まだまだ人だかりは減ってない感じ。



少しは話せる‥か?





「行ってくるわ」




俺は彼女の傍まで歩み寄った。





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