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Pour mon cher -涙の先に-

第64章 卒業 Ⅱ

「愛‥」


「卒業おめでとう。猛司」


「それ、帰ってからでも良くね?」



愛はあれから兄貴とちゃんと向き合ってるみたいで、しょちゅう家に入り浸り。


だから、当然家の中でも会う事が多いからあれからもちょこちょこ話はしてる。



「学校で言うからいいんでしょ?」


「そんなもんか?」



どこで言っても一緒な気もするが。



「あの子とは話、したの?」



愛が差す“あの子”とはきっと“愛”の事だろう。



「いや、まだ。」



はぁー‥と大きく溜息をついた後、俺を真っ直ぐ見て




「ほんとにこのままでいいわけ?

あの子、東君に渡したままでいいわけ?

好きなんでしょ?

なのにこのまま黙って‥「いいんだよ。

このままでいいんだ。」」



彼女が笑ってられるなら。




「あんた、バカなんじゃない?」



‥はい?









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