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Pour mon cher -涙の先に-

第64章 卒業 Ⅱ

俺は愛と一緒に屋上へ上がった。


真っ青な青空に清々しい風で思わず全身伸ばす。



「良くここでサボったなぁー」



サボっては寝て平林に起こして貰ってた事を思い出す。



懐かしい思い出の中には、ここで会った愛との出来事も当然混じってて。



夢と現実の間。



あの時、掴んだ愛の腕の感触は今も残ってる。



あの時、もし俺があのまま愛を離さなかったら今頃もしかしたら‥



なんて思ってると不意に後ろから愛の声。




「卒業、おめでとうございます」



「薔薇まで貰っちゃって。


ただ、どっちがどっちなのか既に分からないんですけどね」




振り向くと、愛は苦笑しながら両手に東と俺のあげた薔薇を持ってた。




‥・いやいや。

分かるっしょ。







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