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Pour mon cher -涙の先に-

第64章 卒業 Ⅱ

「友情と幸せの第4ボタン‥?」


「うん。知らない?」


「知らないです!初めて聞きましたっ!」



ボタンをずっと眺めつつ少し興奮気味に話す愛。



知らないだろうなー。

俺が勝手に考えたんだし。

知ってたら考えついた俺がまぐれだし。



だって、それ。



本当は“第2ボタン”だし。




「これ、私が貰っちゃってもいいんですか??」



首を傾げて問いかける。


いやいや。


愛が貰ってくんなきゃ誰が貰っててくれんの?



「当たり前でしょうが?

だから仕込んで投げたんでしょうが?」




そう言って顎で薔薇を差す。


愛はとびきりの笑顔を俺に向け




「凄く嬉しいです!!

一生大切にしますからっ!!」



ボタンの付いた薔薇を胸元で大切そうに握り締しめる。




その笑顔がとても可愛くて、綺麗で。


“一生大切にする”


この言葉が嘘でもすげー嬉しくて。


ドクドク胸が高鳴る。






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