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Pour mon cher -涙の先に-

第67章 俺からの贈り物

「お待たせー」


「私もさっき出てきたトコですから」



そう言ってニコッと笑う。



‥嘘、バレバレだよ?



3月で世間は春だの何だの騒いでるけど、名残雪が降ってたりするこの季節。



俺は愛ちゃんの手を取って指と指を滑らせギュッと握る。




ほらね?



手も冷たくなってるし。


なんてったって鼻も赤いし。




こんな時「遅い!!」って絶対怒らないんだよね。


いつも平気な顔してニコッと笑うんだよね。




そうやって、いつも人の事ばかり優先させる君。




そういう所が堪らなく愛しい。





彼女の小さな手を握る力をぎゅっと込め




「さっ!行こっかー♪」



“目的の場所”まで歩き出した。






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