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Pour mon cher -涙の先に-

第67章 俺からの贈り物

「愛ちゃん、肩借りてい?」


俺は愛ちゃんの右肩付近を指差す。


「へ?!」


「ダメ?」


「いいですけど‥ちょっとだけ恥ずかしいような‥」



少し照れ笑いする愛ちゃんにキュンとしながら俺は彼女の肩に頭を預ける。



途端



少しだけ香る彼女の優しく淡い香り。



スーッと俺の中に入り込んで心が温かくなる。




この温もりにずっと触れていたい。



この温もりに、この香りにずっと包まれていたい。




君の横でずっと‥・‥。





俺は彼女の肩に寄り縋りながらそっと目を閉じて。




駅に着くまでの間、しっかり彼女の手を握ってこの幸せな時間を全身に刻み込んだ。












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