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Pour mon cher -涙の先に-

第67章 俺からの贈り物

「じゃぁ、何で‥‥っ!」


納得いかないという感じで顔を上げ、上目で俺の目を見る彼女。



そんな彼女の大きくて綺麗な瞳には薄ら涙が溜まってて。

ズキッと胸が痛む。




そんな彼女を抱き締める腕を少し緩めて、今度はふわりと優しく包み込むように抱き締める。




「俺、愛ちゃんといる時間が何より幸せだった。

俺の時間は愛ちゃんが全てだったんだ。

どんなつまらない日常も愛ちゃんと居る時間は全てが輝いて見えた。

それくらい毎日、毎日幸せだった。」




愛ちゃんの目を見てふわりと笑った。




でも



彼女の瞳には見る見る間に涙が溢れてて、ゆらゆらと揺れる。



明らかに泣きそうな彼女を見て別にSでもなんでもないけど少し喜んでる自分に気付く。




だって‥俺が“別れよう”って言ったから涙を溜めてくれてるんだもんね?



それって、“別れたくない”て思ってくれてるから‥って勝手に解釈しちゃうけど



この際だからいいよね。






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