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Pour mon cher -涙の先に-

第67章 俺からの贈り物

零れ落ちそうな涙をグッと堪え私は真っ直ぐ先輩の目を見る。



先輩は目尻を下げてニコッと笑って、大きくて温かい掌で私の頭を優しく撫でる。



撫でられた部分が熱を帯びて、ジーンと温かくなって。




“何で”



しか発しない私に困ったような顔、嫌な顔一切せずにずっと優しい微笑を向けてくれる先輩。




別れよう




そう言われた今でも、先輩の優しさが感じれて‥それが凄く凄く心をギュッと鷲掴みにされるように痛くて‥苦しい。




「愛ちゃんと同じ時間を刻んで行きたい。

愛ちゃんと色んなモノを共有したい。


だけど、それって一方通行じゃダメなんだよ。」




――え‥・



な‥何で?




「何で一方通行なんですか?

私ちゃんと‥‥」




私の言葉を遮るように、先輩は眉を下げて首を左右に振って




「俺は愛ちゃんが好きだけど。




愛ちゃんは俺を好きじゃない。」




と言った。





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