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「愛ちゃんは俺を好きになると頑張るって前に言ったよね？

好きになるって、頑張る事じゃなくて自然と想う事でしょ？

愛ちゃんは優しいから、俺のために好きだと思い込んでくれてるの、俺気付いてたんだ。

ずっと前から。」




少し体を離して私の頬にそっと触れ、“泣かないでよー”って涙を拭ってくれる。



泣くなと言われると余計、逆に涙が込み上げて来て止めどなく溢れ出る涙に先輩は苦笑して



「泣かすためじゃなく、笑っててもらいための話なのになぁー」



ボソッと呟く。



この時、ようやく気付いた。


私より、先輩が今１番苦しいんだって。


私より先輩が１番辛いんだって‥。




「ずっと前から気付いてたけど‥

俺は愛ちゃんから離れる勇気がなくて今の今まで縛りつけちゃった。



ごめんね？」




首を傾げ苦笑する先輩に何も言えず、ただただ首を横に振るしか出来ない私。




そんな事ない。


縛りつけられたんじゃない。


私が先輩に縋ってただけなのに‥・


私が先輩に甘えてたのに‥‥



先輩は何も悪くないのに‥



“ごめんね”



この言葉が痛いほど私の胸を締め付ける。