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Pour mon cher -涙の先に-

第73章 Pour mon cher -涙の先に- Ⅱ

すると猛司も抱き締め返してくれて



「ここが俺と愛の始まりだから。
見送りもここでいいから。


ここからまた、俺達始めよう」




そう言ってギュッと私を抱き締めた。




猛司の腕の中で猛司の温もりと香りと幸福感に包まれる。




今日まで色々な事があったな。



泣いたり怒ったり。


苦しかったり切なかったり。



どうにかなっちゃいそうな闇に包まれそうになりながらも陽の当たる場所を周りの人達が優しく手を引いて連れて行ってくれた。



でも




きっと、あの苦しみや悲しみも“今日”という日を迎えるためには必要不可欠な事だったんだと思う。







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