Pour mon cher -涙の先に-
第12章 先輩の隣り
「先輩、美鈴ありがとうね」
暫く泣いて落ち着いた私は、先輩に上着を返して美鈴から鞄を受け取った。
「愛、もう大丈夫?」
心配そうに顔を覗き込む美鈴に何とか笑顔を作り
「大丈夫!」
と思いっきりピースして見せたけど、軽くおでこを小突かれ
「嘘笑いとかいらねーしっ!」
って怒られた。
「愛ちゃんの事なんて何でもお見通しだよね~♪」
って先輩にも言われるけど
「東先輩…仲良くなったの最近じゃないですか」
「やだなぁ~。愛ちゃん!愛は期間じゃないんだよ!量だよ?!」
そう熱弁するも虚しく
「キモッ!!」
と美鈴に一蹴り。