Pour mon cher -涙の先に-
第15章 嘘と過去
ぐるんぐるん頭の中で東先輩の話や、重盛先輩の話が駆け巡ってパンク寸前になりそうな状況で。
でも、自然と今までの先輩の発言も全て1本の糸で繋がって来て。
“好きって言ってもすぐ居なくなる。”
“愛はスルリと抜けていく”
そう言ってたのは元カノの話。
私を呼びながら遠くを見てたのも
抱いてる時“愛”そう何度も囁いたのも
“愛”って優しくキスをしたのも
全部全部、私じゃなく元カノの“愛”に向けられてたんだ。
“猛司”って呼ばせたのも、もっと彼女を想像しやすくするため…?
先輩は、私に元カノを重ねて元カノを感じながら私と……
私を感じる事なんて1度もなかったんだ。