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Pour mon cher -涙の先に-

第16章 聞かざる?見ざる?言わざる???

重盛先輩の顔色にビクビクな私を見下したまま、いつになく低い声で


「ねぇ。」


「は…はい?」


「何度言わせんの?」


「はい…?」


「猛司」


「…はい?」


「重盛じゃなくて猛司って呼べって何度言わせんの?」


「はいぃ………。」




【はい】の何活用なんだろってくらい「はい」を連発。


だって。


何でそんな怒られてるのか、怖いのかイマイチ分からないんだもん。



「分かってんの?」


小さく頷くと


「返事」


って言われて。またもや


「はい」



今の時間きっとどの日本人より「はい」を言ったと思う。私。


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