Pour mon cher -涙の先に-
第21章 優しさに触れる
…でも。
それも一瞬で、すぐに脳もフル回転し始めて結論を出す。
「やだな~。
何言ってっちゃってるんですか!
そんな冗談いりませんからー」
クスクス笑いながら再び小石に視線を戻す。
「そもそも私、猛司先輩いますよ?」
そう言って笑いながらチラッと東先輩に視線を向ける。
―――え・・・・・
視線を向けた先の先輩の顔は月の逆光で表情が暗くはっきり見えなかったけど
でも・・・恐らく笑ってなくて。
「そんな事知ってるよ?
知った上で言ってるんだけど。」