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Pour mon cher -涙の先に-

第21章 優しさに触れる

「…じゃぁ。くれぐれも気をつけて帰ってくださいね?」


「はいはい♪だから早く帰って?」


クスッと優しく笑う先輩にペコッと頭を下げて


「お休みなさい」


「うん。愛ちゃんまた明日ね」


私は小さく東先輩に手を振って、くるりと玄関に向かった。


背中で東先輩の視線を感じながらドアノブに手をかけたまま1回東先輩に振り返ってもう1度



「お休みなさい」


とだけ言って家の中に入った。







「…好きだよ。」




そう、先輩が優しく切なく玄関に向けて呟いた声は私の耳までは届かなかった。



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