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Pour mon cher -涙の先に-

第28章 VS 2

ズキン―――…‥



猛司の唇が離れた彼女の顔は薄らピンク色になってて。


「あんなのほっといて続きしよ~」


そう言って彼の首に腕を絡めて自ら猛司にキスをしてみせる。



…挑発的な、勝ち誇った視線を1度私に向けた後、目を瞑って猛司とのキスを愉しむ。



猛司も抵抗をする事もなく彼女の腰に腕を回し彼女を受け入れる。




嘘。


こんな女が言う事なんて絶対嘘。




そう思いたかったけど、目の前の彼は拒絶も何もしてなくて。


彼に詰めよって色々問いただしたくても、行動が全て示してて。



全てが肯定の行動でしかない。


それが猛司に見えた瞬間、涙が溢れて来て。



視界が緩む。






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