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Pour mon cher -涙の先に-

第31章 温もりと涙と遊園地と

猛司は何も言わず静かに私をぎゅっと抱き締める。


恐らく‥


何か感じてたのかもしれないし、猛司も今日で“最後”だと決めて来てたようだった。


だから何も言わず抱き締めたんだろうと思う。




ふわっと香る猛司の匂いにツーンと目の奥が痛くなるのを我慢してギュッと目を瞑り話を進める。



「猛司の笑顔が大好きでした。
これからもずっとその笑顔が大好きです。

だから、その為ならいいんです。」



「え‥?」


胸元から体を少し離して、猛司の目を真っ直ぐ見つめ



「あっちの“愛”さんと今度こそ幸せになってくださいね?」



ニッコリと笑った。





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