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Pour mon cher -涙の先に-

第32章 彼女の傍に

「辛いんなら辛いだけ泣けばいい」


いつも自分を我慢させて。


いつも自分の感情を後回しにして。


どんな時でも笑顔を見せて1人で泣く。



もう‥我慢しなくていいんだよ?


辛い時は泣きたいだけ泣けばいい。




俺の声にビックリしてた彼女だけど、静かに背中を子供をあやす親のように撫でて



「泣いちゃいな?」



優しく言ってあげると、まだまだ我慢してたんだろうね。


ダムが決壊したみたいに涙がとめどなく溢れ出て。


また彼女は声を上げて泣いた。



周りの景色が朱から綺麗な星空に変わるまで

何度も抱き締めたい衝動を抑えながら、ただひたすら泣いてる彼女の背中を摩り続けた。




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