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Pour mon cher -涙の先に-

第32章 彼女の傍に

無駄なドキドキ感を抑えつつ彼女を家まで送る。


「先輩、ありがとうございました」


深々と頭をさげてくる彼女の頭に軽く手を乗せ


「愛ちゃん、1つだけ約束して?」


俺の言葉に不思議そうな顔をする愛ちゃん。


これだけは言っておきたかったから。



「1人で絶対泣かないって。


いい?」



膝を曲げ彼女の目線に合わせてそう告げると、小さくコクリと彼女が頷いた。



「絶対だからね?」


念を押す。


「はい。」


ニコッと笑い手を振って玄関に入って行った彼女を見送り、そっと


「好きだよ」


何度目か分からない呟きを玄関にぶつけた。






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