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Pour mon cher -涙の先に-

第41章 体育祭 Ⅱ

「お前っ!これって‥・」


借り物の?!



「鈍チンなお前はそれ持ってしっかり考えて整理すべきモノは整理して戦え!」



そう言って平林のクセに生意気にも
“グッドラック!”
と恰好つけて行きやがった。




1発蹴っておけば良かった。



チッと舌打ちしながらさっきの平林の言葉が頭に浮かぶ。





‥‥整理すべきモノ‥‥か。





なんて思いながら空を何気に見上げると。



そこには雲一つない凄く澄んだ空が広がっていて。



その空を見つめてるうちに
最近、俺の中でモヤモヤしてた事も何故だろう。



不思議と自然と晴れて来て。



気付くと見上げた先に広がる空と同じくらい俺の心も晴々としていて。




俺は、借り物の紙を握り締めたまま晴々した気持ちで暫く空を眺めていた。








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