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Pour mon cher -涙の先に-

第50章 まさかの新事実

「ちょっと待ってて貰っていい?」

「あー‥じゃぁブラついてるわ」




彼女は軽く猛司のお兄さんに手を振って私に振り向いた。


私も一応、軽くお兄さんに会釈。




「何?」




“こんな所で迷惑なんだけど”と彼女。



自分だって散々どんな時でも呼び出した癖に良く言う。





「単刀直入に聞くけど。



何であの人と手、嬉しげに繋いでんの?」




去って行くお兄さんの背中に指差して彼女を見据える。




そんな私に、彼女はハァーっと大きく息を吐いて




「ちょっと向こう行こうか」




フロア端の人通りの少ない階段へ歩き出した。



私も彼女の後を着いて行く。

美鈴も少し離れながら着いて来る。





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