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Pour mon cher -涙の先に-

第53章 戸惑い

「ごめんな?」


「・・・え?」


「俺が気付くのが遅くて。挙句、今更だけど“好きだ”なんて言ってしまって」



ごめん。と苦笑しながら謝る猛司。



そんな猛司に私は何て言っていいのか分からなくて。



そんな事ないですよ。の意味を込めて首を左右にふるふる振ってみる。




そんな私の反応を見て、ふっと笑って





「俺は愛と今まで通り、“友達”でいたいと思ってるんだけど・・」




少し照れ臭そうに上目で私を見る。





“友達”――‥。





一瞬、“友達”という単語にチクッと心に何かが刺さる。







‥“友達”‥か‥・。






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