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Pour mon cher -涙の先に-

第53章 戸惑い

1時間くらい3人で話をして、美鈴と別れた帰り道。



「愛ちゃん、手」



差し出された手を握ると、スルッと指を絡ませギュッと握られる。



先輩と付き合い出して結構経つけど、この瞬間は未だに慣れなくて、ドキッと胸が高鳴る。




「愛ちゃんさー猛司と何かあった?」


「‥え?」




き、急に‥・何?




予想もしてなかった言葉に思わず固まる。




先輩は止める事なく問いかける。





「猛司と何か話した?」



そう話す先輩の顔は今まで見た事もないくらい真剣な表情で。



いつもの笑顔はそこには全く無くて。



‥‥少し、怖くも見える。





‥先‥・輩?





動揺を隠しつつ




「彼女と別れたという話を‥」



そこの部分だけ応えた。


それ以上は‥・伝えないほうがいいかな‥なんて思ってしまったから‥。






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