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Pour mon cher -涙の先に-

第53章 戸惑い

「そっかー。聞いたんだね」


って顔を歪ませて笑う先輩は、別れた事知ってたんだと伺わせる感じで。



何で話してくれなかったんだろう‥と少し思ったけど口にはしなかった。




なんとなくだけど




言わなかった先輩の気持ちが分かる気がしたから‥。





「で、どう思った?」


「ど‥どうって‥・」




今日の先輩‥どうしちゃったんだろ?



いつもと何か違う気がする‥。





「落ち込んでなくて良かったとは思いましたけど‥・・」




戸惑いながらそう応えると、先輩は真顔だった顔をふわりとさせて




「愛ちゃんらしいね」




そう言って私の頭をポンポンとリズムを刻んで軽く叩く。




そしてグイッと腕を引っ張られたかと思えば、気付けば先輩の腕の中に。



瞬間、先輩の香りと温もりに全身スッポリと包まれる。




先輩は私の髪に顔を埋めて




「好きだよ」



そっと呟きギュッと私を抱き締めた。







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