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Pour mon cher -涙の先に-

第57章 聖なる夜と指輪とストラップ Ⅱ

コンタクト‥って‥


アイツ‥コンタクトだったっけ‥?



てか。


そもそも、目悪かったんだっけ?

普段、眼鏡とか掛けてるって言ってったっけ?




――俺‥彼女の事、何も知らないんだな‥‥。




一緒に居た頃は彼女の優しさに甘えるばかりで。


自分の辛さから逃げる事ばかりで彼女の事を知ろうともしなかった。

知りたいと思った時に

俺は彼女を手放した‥。




俺は愛の事を“好きだ”というだけで彼女の事、何も知らない‥。




自分の不甲斐なさにグッと拳に力を込める。








「重盛君?どうしたの?行こ?」


「あ‥あぁ」




すっかり忘れてた‥。

この人の存在。




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