S×強気で恋になる
第57章 遠くなった俺
仕事の合間にちょくちょく見にきてたが、もう朝・・・。
純平?疲れてたからちょっと寝てるだけか?
目を覚ませ・・・
そう思いながら、手を握ると
頬を涙がつたった
純平・・・
泣くな・・・
すっと、涙を拭っていると
藤間が入ってきた
「午前中で戻らなかったら、脳外科回すぞ。」
「・・・そうだな。でも、出血も骨折もなかったんだろ?」
「億の奥の奥だったら、もっと大掛かりな機械でみねーと・・・綺麗な人だな。お前の、なんだろ?」
「早く意識戻れ・・・藤間、こいつに手ェ出すなよ?・・なぁ、さっきから泣いてる」
「生理現象だろ。それか、夢見てるか。気にするな。でも、外傷後の記憶がとぶ外傷後健忘とか、数時間も前から怪我するまでの記憶がとぶ逆行性健忘とか、そーゆーのに、なってねーといいけど。・・・お前も休め。じゃーな」
そう言って藤間は出て行く
・・・そんなことなってねぇ、
涙も生理現象だ
そう思いたくて、強く手を握る
身内っーか、大事な人が
こーなったら冷静でいられねーもんだな
バイクの大事故とか骨見えて肉抉れてんのみても
なんも思わねーし、ただ、早く治してやろうと思うだけだけど、
純平に出来たたった3センチの切創で
あんな出血量で
どーしていいかわからなくなった
昨日なんであそこにいた?
昨日は俺に怒って電話切って、寝室から消えた
俺もイラついてそのままウロウロしてたら
あの患者に合った
ラチがあかねーと思って後ろを向いて歩き出した
何か気配を感じて
振り向こうとした瞬間
こいつが飛び出てきた
そしたら
・・・・・。
俺のこと
庇ってくれたんだろ?
悪かったな、痛い思いさせて
ごめんな
はやく
目を覚ましてくれ
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