狼男子の扱い方
第10章 拒んでからの行為
「涼ちゃん…ありがと…
もう、大丈夫だから…」
落ち着きを取り戻し
抱きついていた涼ちゃんを
軽く押す。
「ほんとに大丈夫か?」
「うんっ、大丈夫!」
ニコッと笑って
涼ちゃんをみつめる。
すると
涼ちゃんの手が
あたしの目に触れ、
「…まだ、目ぇ真っ赤。
教室には行けないね」
悲しそうな顔で涼ちゃんは笑った
─どうして
そんなに泣きそうな顔するの?
「いいよ!戻れる。
真紀にも会いたいし…。
それに、玲音はクラス隣だから」
心配、かけちゃダメだ。
「…そっか。」
納得できていない様子だけど
涼ちゃんはあたしのあたまに
手をのせ、
あたしを引き上げた。