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無自覚な美形くん

第1章 第一章

「さくちゃん〜ちょっと話あるから来て」




母さんに呼ばれリビングに行くと、親父と母さんがソファに座り待っていた。



「なに?話って」



「まぁまぁいいから、座って」



母さんに言われ、親父達が座るソファと向かい合わせにあるソファに座る。



「実はな、、、。俺の弟がな、フランスに行って本場のフランス料理を学びに行きたいそうなんだ、そこでだなー」



「断る」



「まだ言ってもないのに断るなよ〜」



親父と母さんが言い出すことは、ろくでもない事ばかりだからいやなんだよ。



「お前には理事長代理兼、生徒として転校してもらいたいんだ。」



やっぱり、いい話じゃなかったな。



「断る。だいたいなんで俺が代わりにやらなくちゃいけねぇんだよ?」




「さくちゃんに拒否権はないわよ、もう手続きしちゃったし、それに母さんや正人は仕事があるから無理だもの。」



正人とは俺、水瀬咲斗-minase sakuto-の親父。45歳のくせに20歳ぐらい若く見られる。

ちなみに母さん、麗子-reiko-といまでもラブラブだ。


「はっ?まじかよ…あーもう!わかった行くから。んで、いつから?」



「明日からよ」



はっ?明日?早すぎんだろ


「編入試験とか受けてねぇよ?」



「はい、これ。テスト用紙、今日中にやっといて」



紙袋を受けとって中を見ると、テスト以外にもはいっている。



「なにこれ?」



「うふ。カツラと眼鏡でしょ、そしてカラコンも」



「いやいや、見たらわかるけどさ、なんでこんなんがはいってんのか聞いてんだけど。」



「変装道具よ。正体バレたら大変でしょ、うふふ」



キモい笑いを浮かべる母さん。




「絶対楽しんでるだろ?」



あーもう。



「わかったから、もう夜遅いし部屋もどってテストやって寝る」




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