夏の秘密
第8章 手がかり
総一郎「引っ越したの、いつぐらいかわ
かりますか?」
隣人「ここ何ヶ月の間だよ」
総一郎「そうですか、ありがとうござい
ました」
夏「…」
彼女に会えば
兄が行方不明になった理由が
何かわかるかもと期待していたが
結局、彼女には会えず手がかりなしだっ
た
総一郎「まさか引っ越してたとは」
夏「ははっ…きっとお兄ちゃんと一緒に
引っ越したんだろうね…」
総一郎「夏」
夏「私、バカみたい…事件かもって勝手
に思い込んで追っかけて…」
総一郎「夏!!」
夏「だって、だって…」
総一郎「晴に限ってそんな…夏に一言も
なく女と消えるワケないだろう」
夏「…」
総一郎「だからもう泣くな、じゃないと
ここで襲うぞ」
夏「えっ!?もう泣きません、泣きませ
んから」
総一郎「…」
夏「ちょっと…本気?ダメ、ダメだって
こんな場所じゃ…」
総一郎「じゃあ場所変えればいい?」
夏「そういう事じゃ…!?」
総一郎「声出さなきゃ大丈夫だよ」