乾いた空
第2章 二章
部屋の奥へ行くと、ペースメーターがゆっくりと鳴る音が聞こえてきた。
病院とは思えないぐらいの木製の豪華な ベッドの上に酸素マスクをされていては、点滴を打って、僕の知っている人とは全く違う、今にも死にそうに衰弱して小さく縮こまった父と呼ばれる人が横たわっていた。
その人は僕を見るなり、いきなり母にマスクを外させては、病室にいる二人に弱ったか細い声で
「彼と二人にして下さい。」
と言っては再びマスクを付けさせては母は心配そうな顔をして、案内人と部屋を後にした。
この病室で久しぶりに二人になった。
小学生の通知表を見せた時以来だった。
ペースメーターの音がなんだか少し邪魔に感じた。