乾いた空
第3章 三章
「……起きてる?」
「うん、君は?」
「少し寒いけど、大丈夫。」
少女は僕が起きてボーとしているのが、分かっている筈なのに、こんな状態だから心配なのであろう。
辺りは真っ暗で山奥は凍りつくように寒い筈なのに少し温かく、目の前が何だか明るく感じた。
ぼやけた目を何とか前にピントを合わせると目の前にパチパチと小さい焚き火が出来ていた。
「転がった車のなかを恐る恐る見ると、ライターと新聞紙があったから、後は近くにある枝等集めて自力で作ってみたの。朝になったら、煙で助けを呼べるかもしれないし……」
少女はまだ希望を捨てていない強い眼差しをしていた。