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乾いた空

第3章 三章





黒髪で輪とした、少し気が強そうな。
真っ直ぐで揺るぎの無い瞳……


なんだか懐かしさを感じては、僕は微笑んでいた。

少女は一瞬不思議そうな顔をしていたが、微笑んだ僕を見て少し安心したのか、微笑み返してくれた。


小さな焚き火が強く燃えていては山の強い風に負けないように炎を高く上げていた。


何も無い暗く寒い山の奥では一番の支えとなっていた。



僕はあのときにもう炎は消えていたのだろう。


何も感じなかった。



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