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乾いた空

第3章 三章




今は子供の僕が知らない夫婦の絆があったのであろうと思えるようになった。

それは母が父の後を追うかのようにすぐに病気で他界したからだった。

父がいなくなった後の母は脱け殻のように何も興味を示すことも無く、以前美しかった身なりも全く構わなくなってしまい、俳人のようになっていた。

しかし、
僕と会うと恨むような目で見つめてはボソボソと何かを呟いていた。

そんな状態に耐えられず、僕は壊れた母を……家を再び捨てては自由気ままに流され、心の空白を埋めるかの様に好きでもない女との快楽に溺れていた。


無性に人肌が恋しかった。


生きた屍で堕ちてゆく自分を止めることが出来なかった。



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