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乾いた空

第4章 四章





「お前も独りにされたの?」

「……………」


子猫は私をすり抜けて親猫と見られる猫のところへ走って行った。

独りは私だけか……
そう思っていると、傘を忘れていたのか、30代?20代後半と見られる1人の男性が携帯電話で話ていた。


「Sが亡くなられたんですね。
ええ……
それは決まりなので、勿論葬式には参加致しません。
ええ……
ご報告ありがとうございました。」




その男性の声はどことなく寂しそうに感じた。



私が死んだら、そうやって少しでも悲しんでくれる人はいるのだろうか?




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