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乾いた空

第4章 四章






夕焼けが今までに見たことの無いぐらい美しく、沈みゆく太陽がこの浮いているレモンのように感じては、勇気を出して一口飲んでみた。

私の嫌いだったレモンの味は何だか少しだけ、まろやかに感じた。

一言に美味しい。


「前まではね、
実はレモン嫌いだったんだ。香りは良いけど、ただ酸っぱい気がして。」


私は嬉しくなり、余計な事を言ってしまった。


「そうなんだ……。」

せっかく持って来てくれたのにこんな事言ってしまったから、ガッカリさせてしまったかしら?


「でも、今は嫌いじゃないな。味も香りも そのとき嫌なことがあると嫌な味、匂いになるけど、良いことがあると美味しいとか、良い香りになるんだよね。
私だけかな?」


それは素直な気持ちで、何だか今は素直になれる。


「そんなことないよ、レモン……好きになって良かった。」


先程まで無感情で何事にも無関心だったけど、何だか少し嬉しそうな顔をしていた。




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