乾いた空
第4章 四章
「お……お父さん……」
私はユウキを演じる事にした。
亡くたっていく彼に一瞬でも幸せになってほしい為?
ユウキを演じることで、細やかな罪滅ぼしをしたい為?
どちらもだった。
「ま…まさか……
ユ…ユウキ……なのか…?
し…信じていいのか……」
彼は見事に信じきってくれた……
喜ばせたという、細やかな満足感と騙したという、"嘘"という罪悪感が入り乱れる。
「うん。
オリオン座の話ししか出来ないけどね。」
でも私はユウキになりきった。
「ユ…ウキ……
な…何故…こんな所に…?」
彼は不思議そうと言うより、不安そうに私を見ては何かを出そうとしている?
「私ね……
病気なの。
それを悲観して自殺未遂したのよ。
命を粗末にしてごめんなさい。」
彼は何の病気か聞かなかった。
あえて聞かなかったのか、聞こえなかったのか解らない。
でも、意識が失いそうになりつつも、不安そうな寂し気な顔して見ていた。