乾いた空
第4章 四章
まだ彼は自分の身から何かを出そうとしていたので、手伝った。
「何これ?!」
手紙か何かだと思ったら、
それはユウキ名義の通帳と印鑑だった。
驚きと同時に、いくら今までずっと合わなかったとわいえ、こんなにも思われている羨ましさと本当は私のように孤独なんかでは無いという、嫉妬心が毒となって心の中を入り乱されては回らされていく気分になっていた。
「い…いざという時の為だよ、ユ…ウキ……」
そう……
発症を遅らせる治療の為にもなるが、今はそのユウキがいない。
「い…嫌だっ!
お父さんっ!」
「ぼ……僕のさ…最初で最後の頼みを……き……い………て………」
私は貴方の望みを聞けないのと同時にやはり死んでなんてほしくない。
でも聞くしかない。
太陽がうっすらと顔を見せては彼の身体が溶けるかのように眩しく感じた。
奇跡が起きることを信じたかった。