
月夜の下で…
第3章 ~ 愛しい人 ~
午後の授業が始まり、教室で退屈そうに先生話しを聞いていると、何やら教室の外が騒がしくなった。
「森崎くん大丈夫っ!? 」
「イヤーーッ!
森崎くんしっかりーー ーっっ!」
女子達の悲鳴のような声と共に、バタバタと聞こえる大勢の足音…
一瞬ドアガラス越しに、黒い塊の影が通り過ぎて行くのが見えた。
森崎先輩っ
なにか大怪我でもした んじゃっ…
いてもたってもいられず席を立とうとしたが、楼の顔が浮かびハッと我に返った。
ここで行ったらみんな に誤解される…
落ち着くんだっ
森崎先輩ならきっと大 丈夫…
次の体育の時間…
ジャージ姿のクラスメイト達が体育館でバスケをしている中、みちるはひとりで保健室の前で立ち尽くしていた。
どんな様子か見るだけ 見たらすぐ戻れば大丈 夫…!
言い聞かせるように心の中で呟くと、ゆっくりドアに手を掛けた―――
ドアの向こうには、窓際のベッドで上半身を起こした状態で、本を読んでいる森崎先輩の姿があった。
「みちる…?
具合でも悪くなったの ?
今‥先生いないから
とりあえず休んだらい いよ」
ニコリといつもの優しい微笑みに、ホッと胸を撫で下ろしてベッドに近づいた。
「先輩…
その‥ケガは…?」
「もしかして…お見舞い に来てくれたの?」
「女子達がすごい騒いで たから
ちょっと気になって… 」
「…みちるは本当に優し いね‥‥
軽い捻挫だからたいし たことないよ
心配させてごめんね」
「いっいえっ
…じゃあ…そろそろ戻 らないと…」
ベッドから離れようとした瞬間、いきなり腕を掴まれ引き寄せられ、そのままベッドに押し倒されてしまった。
「ちょっ‥なにすっ」
抵抗する間もなく、いきなり顎を掴まれ強引に唇を奪われた―――
抵抗しても力ではかなわず、完全に自由を奪われ身動きがとれなくなってしまった。
「んっ…やめっ‥‥」
なんでこんなことっ!
塞ぐようなキス…
慣れた手つきで制服が乱されていき、少しの痛みのあとに快楽が体を支配した―――
