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好きな人がいた

第2章 中学二年生

彼と出会ったのは中学二年生の1月だった。
席替えで隣の席になったのがきっかけだった。
はじめは『嫌だなあ』と思ったのを覚えている。
私は男子が大の苦手で、彼とはまだ一度も話したことがなかったのだ。
しかも私の隣に席が決まった途端、とあるお調子者の男子がそれを囃し立てたので私はすっかり縮こまってしまった。
今考えれば場所のせいだったのだと思う(一番前の窓側の席だった)。
でもそれですっかり怯えた私は彼と仲良くなれるのかが不安でならなかった。
結果としてはなんの問題もなかった。
彼も彼でまた少々根暗なところのあるタイプで、私たちはすぐに友達同士になった。
頻繁にメールを交換するほど仲良しになった。
男子の友達があまりいない私は嬉しくて仕方なかった。
毎日メールをやり取りすることが楽しくてたまらなかった。
彼と友達にならなければよかったと後悔する日が来るなんて、思ってもいなかった。

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