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第2章 クラゲ

「ほんまは、僕はクラゲで、忠義が雲で、近づくことさえできひんって思ってた。」

ゆっくり浜辺へ歩いていきながら呟いた。

すると急に立ち止まり雲を見上げる僕とは反対に、じっと下をみていた。

「もし、章大がクラゲで、俺が雲やったら、その雲は空やなくて、海にあるんちゃう?」

目線の先には空に浮かんだ雲が波打ちながら映っていた。

「それやったら、いつでも近くにおれるやんな?」

大倉はやっぱり空に浮かぶ綺麗な雲。

どれだけ離れていても、近くにいてくれる、そんな大倉が前よりもっと大好きだ。

あなたが空に浮かぶ雲なら
それを見上げる僕は
クラゲのようだね
あなたと見つめ会うことができたら
どんなことでも乗り越えていける

僕の心は

いつまでも水の中さ

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