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背徳の雨

第1章 全てはここから始まる



母が居なくなる少し前、
こんな事を訊かれた。

「母さんと、父さん。どっちが好き?」

私は迷わず答えた。

「父さん」

これは嘘偽り無く、本心だ。
母はスッキリした面持ちで
そうかと呟いた。
今思えばあれが母が出ていく
引き金になったのかも知れない

そして離婚の
引き金になったのかも知れない

でも私は
新しい母が欲しいとも思わないし、
淋しいとも思わなかった。
だって幼稚園に行けば友達だって居る
父の代わりは居なくても
母の代わりは沢山いるから。
例えば甘えるだけなら
幼稚園の先生でもいい。

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