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約束

第8章 もう一度

「失礼しまーす…」

患者さんはあたしに背中を向けて見向きもせず、窓の外を見ていた。

「本日よりこの病室を担当させていただきます、中村遥歌と申します。よろしくお願いします」

「えっ?遥歌?」

そう言って振り返った顔を見ると

「…か……ず?」

幼い頃から見慣れた顔だった。

「はるか………」

ネームプレートを見ると

『二宮和也』

確かにそう書いてあった。

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