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約束

第8章 もう一度

ちょっとした検査入院で大袈裟かもしれないけど、俺は初めて『死』を意識した。

もしこのまま人生が終わったら………

まだやり残したことがたくさんある気がした。

今まで、どれだけテキトーに生きてきたか。

もちろん嵐としての活動は、充実感を持ってやってきた。

でも俺は、何か大事なことを忘れていた。


遥歌との、幼い頃の約束。

楽しかった日々。

遥歌の素肌の温もり。

一生守ると誓ったあの日…


芸能界に入って、いろんな女と付き合ったし、身体も満たしてきた。

身体は満たされても心のどこかが満たされなくて、自己嫌悪に陥ったりした。

それは多分、俺の中に遥歌がいるから。

忘れていたはずが、実は忘れられないでいた、遥歌の存在。

ここにきて、ふと頭に浮かんだ。

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