caramel
第4章 訊
目覚めたら、真っ白い部屋にいたの。
そこまで綺麗とは言えないけど、
何か落ち着ける空間なんだよね。
…私、何で保健室で寝てるんだろ。
私が寝ているベッドの端に、人。
その人の白衣姿に違和感を感じるのは、
明るい茶髪にピアス、黒シャツ。
まるで…ホストみたい。
私が躰を起き上がらせると、ギシッと小さな音がして、先生が私に気づいた。
「お…やっと起きたか」
あぁ、思い出した。
私、先生とエッチな事しちゃったんだ。
『先生…』
「どうした?顔赤いぞ」
そ、そうかな…
「まさか、さっきの事思い出して、またヤりたくなった?」
この先生、変態な事を恥ずかしげも無く言うよね。
「なんで黙ってんだ?さては…図星か!!」
ククッと笑う先生の瞳をみていると、
耳元で囁かれると一瞬で堕ちてしまいそうな声を聞くと、
明るい茶髪がふわりと揺れると、
長くて綺麗な先生の指が、
口元から少し覗く赤い舌が、
激しく動いていた逞しい先生の躰が、
私を欲して、求めてくれた様な、
そんな想いが心に宿って、
何だか胸の鼓動が速くなった気がする。
都合のいい私の、勘違いだと思うけど。
「おい…」
気がつくと先生の整った顔が、近くにきていてビックリする私。
心配そうな先生。
『ボーっとしてた』
「そっか…なら良かった」
そう言って私の頭を優しく撫でる先生に、思わず抱きつく。
今、先生の顔を見たら、聞いてはいけないことを聞きたくなるから。
それを聞いてしまったら、先生と私の関係は、ほぼ無に等しいものになってしまうはず。
そんなの、嫌だ。
『もう少し、こうしてていい?』
「それ、俺のセリフな」
温かい安らぎの時は、あっという間に過ぎていくから、大切に今を過ごす。