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迷路…俺の場合 (Ver.N)BL表現有

第12章 現実

自分の合鍵で
鍵を開け


久しぶりに
マシロの部屋の
ドアを開けた




玄関の中に
足を一歩
踏み入れた途端



マシロが
奥の部屋から
慌てて出てくる
音が聞こえた




そんなに・・・

俺に会いたかったか?




奥の部屋から
マシロが顔を出し



「久しぶりだなぁ、マシロ」



俺がそう言うと

マシロは
俺の顔を見て

ホッとしたのか


がっかりしたのか



「ユウヤさん…」



と呟いて



その場に
へたり込んでしまった





「ただいま」




ドアを閉めて
靴を脱ぎ


俺は
荷物をテーブルの
上に置いて

へたり込む
マシロの前に
かがみ込んだ




俺に・・・


会いたかったか?






そんな訳・・ねぇか・・







何か
言いたそうなのに

何も言わないマシロを





俺は

そっと
抱きよせ




マシロの

折れた翼を

優しく撫でてやった







「マシロ・・・」







「・・・・」









「鍵・・・



ぶっ壊れちまったか・・・」









これが


・・・現実。








俺は

そう

心の中でつぶやいていた






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