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切ない関係

第12章 時計。

雅紀side


松潤が鍋の蓋を開けると、いい匂いが俺の食欲を刺激した。


「これってさ、ミルク粥?」



「うん。雅紀が子供の時、これ食べてたって言ってたから作ってみた…。」



「覚えてくれてたんだ…いただきます!」


フーフーして口に入れると、微かに生姜の風味がした。


「どうかな…?」



「うん!おいしい……。もしかして、生姜入ってる?」



「うん、生姜は喉とか風邪に効くって言うしね。雅紀には早く治って欲しいから。」



「ありがと……。」


「雅紀?」


松潤の言葉に、つい違和感のある返事をしてしまった。



「いや…、なんか申し訳ないなって。」

「何で?」



「だって今日、松潤午後から映画の撮影でしょ?なのに…余計な手間かけさせちゃって…。忙しいのに…。」



俯きながら言う俺の頭に、ポンッと手が置かれた。


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